人形遣い
賽目和七, マニャ子 / 小学館
世界はわたしを中心に回っているのです。 わたしの名前は坂上神楽。 凄くかわいくて頭が良く、芸達者で器用で立ち振る舞いも完璧。ダイヤモンドもはだしで逃げ出すとまで謳われる、まぁごく普通の世界的天才美少女である。 わたしのような、存在が主人公級の美少女というのは、やはりトラブルに巻き込まれるのが常なのである。そうした面倒に巻き込まれる自身の体質にだけは少し嘆きたくもなるものだ。 嘆いて、溜息を吐き、それからわたしは顔を上げ、ああ、溜息を吐く仕草すらも可愛らしい。そんなことを思いながら、胸に抱いた兎の人形を抱きなおし、二人の人物に視線を向ける。 壁際に追い詰められた、黒髪の少女と、狼面の男が一人。考えるまでもなく目の前の人狼が少女を襲っている場面なのだろう。 わたしはこのような人ならざる化け物を人知れず退治していく仕事をしている。そう、この『人形』を遣って――。 第7回小学館ライトノベル大賞、ガガガ賞受賞作。 イラストを担当するのは、ライトノベルの挿絵や原画などで活躍中のマニャ子 ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
引用: 小学館
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